学部と学科をよく考えて選ぶことが何よりも大事だ。大学自体は自身の偏差値で限られるように、それ以外は自ずと選択肢が限られてくる。比較的自由に選べ、かつ自身に大きい影響を与えるものは学部・学科選択だ。そして、その選び方は「自分の学びたいことが学べるかどうか」だが、これにはまず自分は何に興味があるのかを知っていないといけない。つまるところ、受験を迎える時までに1ミリでも世界を広く知ることが大切だ。
学部・学科の選択は、18歳の子では想像できないほど重要だ。大学で学ぶ内容は職業選択や人生の価値観に決定的な影響を与え得る。個人的に、私はそのような影響を受けた一人だ。もちろん一つでも上の大学に行こうとする気概は大切だが、大学名を重視するあまりネームバリューの割に入りやすい大学、入りやすい割に企業からの評価が高い大学など、有名校や「コスパの良い」大学に受かることを進路の方針にして、学部選択をおろそかにするのは視野が狭い。
そして、学部・学科を選ぶ際に基準になるのは、自分の興味がある分野を学べるかどうかだ。これは4年間の学部生活の成否を決める。これは大学での勉強が自主性に任せられている点による。単位を取るためだけの勉強でも卒業できるが、これではその後の人生に資するものが得られない。学部の4年間で深く学びたいのなら、それは自然に学びたくなるものである必要がある。
では、自分は何に惹かれ、何に刺激されるのかをどう知ればよいのか。これは受験生になってから考え始めて見つかるようなものではない。それまでの人生でたくさんの経験を積んでいることが重要だろう。様々な分野の本を読んだり、現地を訪れたり、人と会うことで、自分の好きなことが見つかる確率が上がる。そしてこの原動力になるのは、毎回同じ結論だが、知的好奇心である。
ところで、自分の興味のある分野が見つからない人は実際に多い。どうしても学部や学科を決められない人は教養課程を設けている大学に行くのも手だ。東京大、京都大、北海道大、国際基督教大などでは専攻を入学後に決められる学部がある。1年生では幅広い教養科目を勉強することで、想像していた学習内容と実際のギャップを確かめられる。
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